【規約の見直し大丈夫⁉】「専門家」に助言や援助を求める前のポイントを解説

マンション

サラ管ブログのはじめに

他人任せで本当に良いのですか?あなたの約8割もの財産を‼

仮にマンションの購入金額が3000万円だとします。

その内あなたが直接享受できる利益はせいぜい約2割の600万円分しかありません。

実際、あなたの部屋を見渡してください。

3000万円分の価値を実感できますか?

あなたの目で見えるものが約2割の価値という事です。(キッチン・ユニットバス・洗面・扉等の造作・フローリング・クロス等・・・ちなみに玄関ドアや窓・サッシュは含まれません)

土地や建物の共用部分等に残りの8割の財産が「マンション管理組合」により管理運営がされています。

これを機会に関心を持ってみませんか?

マンション管理組合に。

こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。

先ずは簡単な自己紹介です。

私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。

好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。

それでは本題に入っていきたいと思います。

【規約の見直し大丈夫⁉】「専門家」に助言や援助を求める前のポイントを解説

 

平成16年以降「管理規約の改正」が行われていないマンションにお住いの方必見!!

 

管理組合の関係者の方~ちょっと待ってください!「専門家」に業務を依頼する前にあなた方の管理規約をよ~く確認してみて下さい!

 

多くのマンションは、国土交通省が示す「マンション標準管理規約(~平成16年1月まで中高層共同住宅標準管理規約と呼ばれていました)」を参考に規約が作られますが、平成16年以前のマンションには、マンション管理士等の専門家に援助を求める事がマンション標準管理規約に条文化されていない為、「専門的知識を有する者の活用」の規約条文の追加が必要だと考えられます。

 

規約に定めが無い場合において、「専門家」への業務報酬の支払いが規約違反を問われ、管理責任の問題に発展する可能性もあるので注意が必要です!!

 

専門家に援助を求めるとは?

 

専門家に援助を求めるとは?

マンションの管理・運営にかかわる様々な事案に対し、マンション管理士等の専門家に以下の援助を依頼する事を言います。

1.住民間トラブルの「相談」に乗ってもらう
2.判断に迷った際に「助言」を求める
3.総会や理事会運営を「指導」してもらう

 

根拠として、マンション標準管理規約第34条には以下のように定めています。

(専門的知識を有する者の活用)
第34条 管理組合は、マンション管理士(適正化法第2条第五号の「マンション管理士」をいう。)その他マンション管理に関する各分野の専門的 知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる。

 

上記条文をより詳しく解説した「標準管理規約コメント(国土交通省)」では、

第33条及び第34条関係
① マンションは一つの建物を多くの人が区分して所有するという形態ゆえ、利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ、建物構造上の技術的判断の難しさなどを踏まえ、建物を維持していく上で区分所有者間の合意形成 を進めることが必要である。
 このような中で、マンションを適切に維持、管理していくためには、法律や建築技術等の専門的知識が必要となることから、管理組合は、マンション管理業者等第三者に管理事務を委託したり、マンション管理士その他マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりするなど、専門的分野にも適切に対応しつつ、マンション管理を適正に進めることが求められる。
 なお、外部の専門家が直接管理組合の運営に携わる場合の考え方については、全般関係3、別添1等を参照のこと。
② 管理組合が支援を受けることが有用な専門的知識を有する者としては、マンション管理士のほか、マンションの権利・利用関係や建築技術に関する専門家である、弁護士、司法書士、建築士、行政書士、公認会計士、税理士等の国家資格取得者や、区分所有管理士、マンションリフォームマネジャー等の民間資格取得者などが考えられる。
③ 専門的知識を有する者の活用の具体例としては、管理組合は、専門的知識を有する者に、管理規約改正原案の作成、管理組合における合意形成の調整に対する援助、建物や設備の劣化診断、安全性診断の実施の必要性についての助言、診断項目、内容の整理等を依頼することが考えられる。

と示されています。

援助を求めるには「規約」または「集会の決議」が必要

 

マンションにおいて「管理」に関する行為の際は、「規約」に定められているか、或いは「集会の決議」が必要です。

 

以下根拠として、区分所有法第18条(共用部分の管理)において、

共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

 

専門家に援助を求めるという事は「管理組合の管理行為(業務)」にあたる為、規約事項とするか、あるいは援助を求める際に「総会の決議」を行う必要があります(この場合は、その都度総会決議が必要になるので、規約事項とすることが賢明です)。

どのマンションの管理規約においても「管理組合の業務」が示されている筈で、例えば標準管理規約においては第32条から第34条においては管理組合の業務が定められています。

1.「業務」内容
2.「業務の委託」について
3.専門的知識を有する者の活用

 

また、専門家に援助を要請した際には報酬を支払う必要がありますが、管理費がどのような時に使えるのか?規約に定めが必要です。

こちらは標準管理規約において第27条に示されています。

(管理費)
第27条 管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
一 管理員人件費
二 公租公課
三 共用設備の保守維持費及び運転費
四 備品費、通信費その他の事務費
五 共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
六 経常的な補修費
七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
八 委託業務費
九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
十 管理組合の運営に要する費用
十一 その他第32条に定める業務に要する費用(次条に規定する経費を除く。)

 

では、標準管理規約に定められているのに、そして多くのマンションの規約が「標準管理規約」をもとに作成されているのになぜ?「規約の定め」や「集会の決議」が必要になるという話になるのでしょうか?

 

これは、「専門的知識を有する者の活用」の条文が、平成16年に追加制定されたからです。

 

H16以降に規約改正が行わていないマンションは要注意!

 

もしあなたがお住まいのマンションが、平成16年以前あるいはその直近に建てられたマンションなら、「規約」の定めや「集会の決議」がなければ、理事会で決議したとしても専門家に援助要請は出来ない可能性が非常に大きいです。

その理由として、平成16年以前或いはその直近に建てられたマンションの多くは、「中高層共同住宅標準管理規約」に基づいて定められており、そこには「専門的知識を有する者の活用」という条文が存在しなかったからです。

 

その為、規約に定めが無い」、「総会で決議を取らなかった」場合において、「専門家」への業務依頼及び業務報酬の支払いが規約違反を問われ、管理責任の問題に発展する可能性もあるので注意が必要です!!

 

あるマンションでの出来事・・・

・平成10年築

・1度も規約の見直しを行っていない

 

管理組合の理事長

滞納問題が深刻なので助けてもらえませんか?

 

承知しました。マンション管理士の私にお任せください。業務報酬は○○○○〇円となりますので、指定口座にお振込みください。

 

 

しばらくして・・・。

定期総会前に議案書を見たある区分所有者より指摘がありました。

 

専門家にそんな高額な報酬を払ったんですか!規約には「専門的知識を有する者の活用」の定めはありませんが⁈「業務依頼」や「報酬の支払い」については総会で決議してない規約にも定められてないのに、理事会で勝手に承認したのは問題があると思います!

 

まずー、知らなんだわ・・・・。どうしよ???

と、こんな事にならない為にも、今すぐあなたのお住まいのマンション管理規約を確認してみて下さい!

 

 

 

まとめ

・平成16年以降、規約の見直しが行われていないマンションは要注意です!

・管理組合が、「専門家」に助言や援助を求める前に管理規約に以下の根拠条文があるかどうか確認して下さい。

1.専門的知識を有する者の活用」の条文が明文化されている(標準管理規約第34条)

2.「管理費からの支出」の条文が明文化されている(標準管理規約第27条第9項)

規約に定めが無い場合や集会の決議が得られていない場合、「専門家」への業務の依頼は規約違反を問われる事が考えられます。

 

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