輪番制役員選任方法と役員を辞退させない組合の姿勢を紹介します

マンション

サラ管ブログのはじめに 

他人任せで本当に良いのですか?あなたの約8割もの財産を‼

仮にマンションの購入金額が3000万円だとします。

その内あなたが直接享受できる利益はせいぜい約2割の600万円分しかありません。

実際、あなたの部屋を見渡してください。

3000万円分の価値を実感できますか?

あなたの目で見えるものが約2割の価値という事です。(キッチン・ユニットバス・洗面・扉等の造作・フローリング・クロス等・・・ちなみに玄関ドアや窓・サッシュは含まれません)

土地や建物の共用部分等に残りの8割の財産が「マンション管理組合」により管理運営がされています。

これを機会に関心を持ってみませんか?

マンション管理組合に。

こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。

先ずは簡単な自己紹介です。

私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。

好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。

それでは本題に入っていきたいと思います。

輪番制役員選任方法と役員を辞退させない組合の姿勢を紹介します

投稿日2021.2.28

更新日2023.8.2

まず最初に、

・「輪番制役員選任方法」とは、組合員全員で順番を決めて役員に就任する方法で、規約・細則や集会決議で定められます。
・役員を辞退させない管理組合の姿勢として正直これと言った特効薬は有りませんが、組合員の「公平な負担」と言う観点から、管理組合としての強い意志を示し続ける必要があります。

 

 

組合員のみんなが嫌がる⁉管理組合の役員就任

年度末会計の管理組合の場合、毎年2月ともなれば次期役員候補探しが難航しているのではないでしょうか。

私が参加している管理組合の「※理事会前打ち合わせ(三役打合せ)」において、5月の総会に向けた次期役員候補者の選任に関して議論が行われました。

理事会前の事前打ち合わせ(三役打合せ)とは?なぜ必要なのか・・・の記事をご参照ください。

 

輪番制役員選任とは?

予め順番を決めて管理組合の役員に就任してもら方法です。

先ず、役員選任の上で重要な考え方(優先順)として以下、

優先1.長期就任の防止(例:役員の再任(理事長5年目以上など))
優先2.就任権利の保障(例:役員の公募(立候補制))
優先3.公平な負担(例:組合員は平等)

となります。

「役員」という職務が、例えばある管理組合では、

職務が楽チンでしかも役員手当がある!

その一方で、

職務が非常に大変でしかも役員になっても無手当。

「長期就任の防止」・「就任権利の保障」と「公平な負担」が、適正な管理運営という観点で優先すべき事項である事がおわかりいただけると思います。

 

「管理規約」に定めがない事項は「使用細則」として定めます

マンション標準管理規約より

第35条 管理組合に次の役員を置く。
一 理事長
二 副理事長 ○名
三 会計担当理事 ○名
四 理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
五 監事 ○名
2 理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。
3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
外部専門家を役員として選任できることとする場合
2 理事及び監事は、総会で選任する。
3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
4 組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。

と、一般的な管理組合で決めるべき「役員の体制等」を示し、

(役員の任期)
第36条 役員の任期は○年とする。ただし、再任を妨げない。
2 補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 任期の満了又は辞任によって退任する役員は、後任の役員が就任するまでの間引き続きその職務を行う。
4 役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う。
外部専門家を役員として選任できることとする場合
4 選任(再任を除く。)の時に組合員であった役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う。

と、「役員の任期」を定めています。

 

そして、これら「管理規約」において定められていない詳細な事項を「使用細則」として定めることができます。

これは「管理規約」に定めてしまうと、変更するには総会の「特別決議」事項とされる為、手続きが面倒になるからです。

管理規約の作成・変更 ⇒ 総会「特別決議事項」(区分所有者数及び議決権総数の4分の3以上の賛成)
使用細則の作成・変更 ⇒ 総会「普通決議事項」(議決権総数の過半数の賛成)

そのため「使用細則」として定める事により、ルール変更の際のハードルを一段下げ、管理組合の運営をより柔軟に行うことが出来るようします。

マンション「使用細則」での役員就任の条文例

第〇条 理事は、組合員のうちから原則として各階〇名を輪番制として総会で選任する。
第〇条 組合員、組合員の配偶者及び一親等内の親族が全員75歳以上の場合は就任を辞退できる。
第〇条 やむを得ず役員の辞退が認められた者は、次年度役員候補者の最上位の順位とする。

このように「使用細則」により詳細が定められ、輪番制役員制は基本的に辞退できないものとします。

 「管理規約」や「使用細則」で定めても毎年辞退者が続出。

無視スルーもあり管理組合の大きな悩みとなっています。

積極的に役員として活動してもらう事が管理組合には最も大切なことです。無理に就任させることは必ずしも管理組合の利益にはならないですが、組合員の「公平な負担」と言う観点からは、管理組合としての強い意志を示す必要もあります。

 

毎年辞退する区分所有者に対して行う事とは?

理事長名で、他の役員選任候補と共に「就任の案内」を通知する

マンション管理の最高自治規範といわれる管理規約ですが、特段の事情が無いにも拘らず役員就任を無視スルーする組合員に対し規約違反で訴えるというのは現実的ではありませんし、管理組合の利益になるとは考えにくいです。

従いまして管理組合として、粛々と強い意志を示し続けることが必要であると考えます。

 

役員改選の際にすべき組合員宛て「通知」等

1.「次期管理組合役員募集のお知らせ」を全対象者(区分所有者等)に通知
2.役員候補者宛ての「役員選出の案内」を通知

改選人数が5名ならば倍以上を対象としたほうが良いでしょう。

3.2.に輪番制に基づいた「役員候補者の順位表」を添付

順位表での個人名の表記は避け、部屋番号にとどめるのがポイントです。

4.役員経験者の「生の声(経験談や感想)」をまとめたものを添付
「役員やってここが良かった!」という役員経験者の生の声を案内すると良いでしょう。
私が役員改選に立ち会った際の離任挨拶の際では、
やってよかった!
今まで他人事のように思ってたけど今では自身の問題としてとらえられるようになった!
絶対一度は経験した方が良い!
と肯定的な意見がほとんどでした。
1人でも多くの区分所有者の方に興味を持ってもらう為に、管理組合の「重い門」を開けるお手伝いをしましょう。
以上、1から4を「役員改選」の際に通知する事をお勧めします。
また、選任が難航することも考えて理事会独自に別ルートで候補者探しを行う必要があります。

役員選出の通知を出すことのメリットは?

総会までの予定が立てやすい!

例えば5月30日(日)が総会と仮定した場合、総会の期日から逆算して

・5月30日(日)総会当日

・5月15日(土)までに総会開催通知(2週間前通知は区分所有法に定められてます)

・5月上旬に議案書確定

・4月中に役員候補者確定

・2月から3月上旬にかけて「役員候補者募集案内」の通知および「役員選出の案内」を候補者に通知

法定事項もありますので、一般的には以上のようなスケジュールが組まれます。

 

私の参加している管理組合ではつい最近まで以下の案内文で通知をしていました。

予定が立てにくい「役員選出の案内」の文言の例

○○○○様

○○管理組合 理事長○○○○

第○○期役員選出に関するご案内

挨拶分  中略

運営細則に基づき○○○○様を候補者とさせて頂いた事をご案内します

尚、顔合わせの為に、「三役会」の○○日又は、「理事会」の△△日にご足労をお願いします。

以上

「候補者のご案内」だけではスルーされてしまう事が多い

スルー者の意思の確認が総会議案書作成の直前までに出来ない場合が多い

昨年までスケジュールが非常に立てにくかったです。

 

そこで今年から以下の案内文に変更し、現在まで順調に回答が得られています。

予定が立てやすい「役員選出の案内」の文言の例

○○○○様

○○管理組合 理事長○○○○

第○○期役員選出に関するご案内

挨拶分  中略

運営細則に基づき○○○○様を選出しました事をお知らせします。

尚、顔合わせの為に、「三役会」の○○日又は、「理事会」の△△日にご足労をお願いします。

1.○○日

2.△△日

上記の何れか選択して頂き、□□日までに管理事務室までご提出ください。

以上

・スルー者の意思の確認が予め確認できる(□□日までに管理事務室まで提出

・次期役員候補者が早い段階で把握ができる(総会議案書作成まで余裕がもてる)

 

 

まとめ

・輪番制役員選任とは予め順番を決めて管理組合の役員に就任してもら方法です。

・役員選任「細則」として輪番制その他の選任規定を定めることをお勧めします。

・輪番制にも拘らず就任を無視スルーする組合員等に対して、組合員の「公平な負担」と言う観点から、「役員選出の案内」等に工夫を凝らし、管理組合としての強い意志を示す必要があります。

・「役員選出の案内」等に工夫を凝らし1人でも多くの区分所有者の方に興味を持ってもらい、管理組合の「重い門」を開けるお手伝いをしましょう。

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