マンションを熟知している管理会社がなぜ大規模修繕工事に関わらないのか

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サラ管ブログのはじめに 

他人任せで本当に良いのですか?あなたの約8割もの財産を‼

仮にマンションの購入金額が3000万円だとします。

その内あなたが直接享受できる利益はせいぜい約2割の600万円分しかありません。

実際、あなたの部屋を見渡してください。

3000万円分の価値を実感できますか?

あなたの目で見えるものが約2割の価値という事です。(キッチン・ユニットバス・洗面・扉等の造作・フローリング・クロス等・・・ちなみに玄関ドアや窓・サッシュは含まれません)

土地や建物の共用部分等に残りの8割の財産が「マンション管理組合」により管理運営がされています。

これを機会に関心を持ってみませんか?

マンション管理組合に。

こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。

先ずは簡単な自己紹介です。

私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。

好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。

それでは本題に入っていきたいと思います。

マンションを熟知している管理会社がなぜ大規模修繕工事に関わらないのか

投稿日2021.3.18

更新日2022.1.31

ある理事会前打ち合わせにおいて、A理事より、

「前から確認したかったが、あなたはなぜ大規模修繕工事の打ち合わせに参加しないのか?」

と、厳しい口調で管理会社のフロントマン(マンションの管理運営をサポートする担当者)に対して質問を投げかけました。

 

私が参加しているマンション管理組合は、翌年春の大規模修繕工事に向けて「修繕委員会」において大規模修繕工事の打ち合わせを毎月1回開催しています。

 

今回は、設計監理方式の採用により「設計コンサル会社」と契約し、現在は「建物の調査診断」が終了した段階にあります。(10社以上のコンペにより採用)

ではなぜ管理会社は大規模修繕工事の打ち合わせに参加していないのか?

 

管理会社は管理委託契約に基づいた業務を行っている

A理事の言う通り、マンションを熟知している管理会社に関わってほしいと思うのはマンション区分所有者のごく普通の意見だと思います。

しかし、管理会社フロントマンの大規模修繕工事(修繕委員会)への参加は、管理委託契約上の「契約外」業務となる為、参加の義務は有りません(国交省通知の標準管理委託契約書に準拠している場合)

マンション管理会社の業務として標準管理委託契約書には大きく4つの業務があります。

標準管理委託契約書 第3条

1.事務管理業務
2.管理員業務
3.清掃業務
4.建物・設備管理業務

1.事務管理業務には、

(1)基幹事務

①管理組合の会計の収入および支出の調整

②出納

③マンションの維持又は修繕に関する企図又は実施の調整

(2)基幹事務以外の事務管理業務

①理事会支援業務

②総会支援業務

③その他(点検検査の助言、届け出・図書等の保管)

とあります。

(2)の「基幹事務以外の事務管理業務」に示されているように、管理会社は「理事会」および「総会」を支援する事は契約業務なので都度打合せには参加が必要です(管理会社との契約が「基幹事務」のみの場合は除く)。

 

しかし「専門委員会」である修繕委員会には契約外のため参加の義務はありません

 

専門委員会とはマンションにおいて、理事会内で問題解決が難しい「専門的」・「長期的」に議論が必要な事案に関して、理事会が「専門委員会」なるものを設置してその業務を補完させることが出来ます。修繕委員会以外では、・防災委員会・ペットクラブ・緑化委員会・規約委員会などが挙げられます。

 

管理委託契約で「専門委員会」支援も追加業務とする事は可能だと思いますが、隔月や不定期開催の専門委員会も多く、管理会社のフロントマンがこれら専門委員会への参加することは限定的、スポット的な契約となると考えられます。

 

 

管理会社が係る必要性は?

では、設計・監理方式採用の大規模修繕工事において管理会社の関りは必要なのか?

必要はあります!

「管理会社(管理員さん含む)」、「管理組合」、「設計コンサル会社」、(※CM方式「マンション管理士等の専門家)」)との連携が必要です。

※CM方式 コンストラクション・マネジメント(construction management)とは、建設プロジェクトにおいて、建設発注者から準委任を受けたコンストラクション・マネジャー(CMr)により、中立的に全体を調整して、所期の目的に向かって円滑に事を運ぶ為の行為のことである。CM方式。 引用Wikipedia

 

マンション管理会社の業務として大きく4つの業務があると記しましたが、

そのうち管理員業務の一つに受付業務があります。

大規模修繕中は様々な専門業者が出入りしますので、管理員さんは立ち合いなどが必要になります。

その中で調整等が必要になった事項に関し、管理員さんは「管理組合」及び「管理会社」に報告をし、必要に応じて「設計コンサル会社」を含めて協議がなされます。

 

 

管理会社のフロントマンが直接関わるというものでなく、管理業務のうちの管理員業務の中で必要に応じ対応を行う、というものです。

冒頭の管理組合理事が述べたように、専門委員会の参加は契約外業務の為に参加の義務はありませんが、管理会社として管理業務の1つである現場の立会い等の調整は当然必要となります。

 

設計コンサル会社が徹底的に調査診断します

では、冒頭で理事が心配していた管理会社不在の大規模修繕工事は大丈夫なのか?

問題ありません!

その理由として、

・修繕委員会で大規模修繕工事に入る前から綿密に打ち合わせを重ねています。
・「設計コンサル会社」は施工会社ではありません。建物の設計・監理を行うプロです。
・設計コンサル会社は、管理会社のフロントマンや管理員さんが行う以上の建物の劣化チェックを大規模修繕工事開始前に徹底的に行います
・設計コンサル会社は工事施工前、工事施工中、施工完了後と常に「管理組合」「管理会社」(「マンション管理士等の専門家)と連携して業務を行います

 

 

まとめ

・設計監理方式採用による「修繕委員会(大規模修繕工事)」打合せへの参加は、管理会社の義務ではありません(標準管理委託契約書準拠の場合)。

・修繕委員会などの専門委員会には契約外業務の為に参加の義務はありませんが、管理会社として管理業務の1つである管理員さんの現場立会い等の調整は当然必要となります。

・設計コンサル会社は、管理会社のフロントマンや管理員さんが行う以上の建物劣化等のチェックを、大規模修繕工事開始前に徹底的に行います。

・設計コンサル会社は「管理組合」と「管理会社」(※CM方式「マンション管理士等の専門家」)と連携し大規模修繕工事を進めます。

・是非あなたのマンションの管理委託契約書を確認してみましょう。

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