委任状出席は想定外⁈理事の皆さんは理事会に出席して当たり前!な理由を解説

マンション

サラ管ブログのはじめに 

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こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。

先ずは簡単な自己紹介です。

私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。

好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。

それでは本題に入っていきたいと思います。

委任状出席は想定外⁈理事の皆さんは理事会に出席して当たり前!な理由を解説

投稿日2021.4.29

更新日2023.8.2

結論から、

理事会決議が無効になるようなことが無いように注意して下さい!

理事会の招集手続について、総会の招集手続の規定(標準管理規約第52条4項)が準用されていない為、委任状出席は出来ない。つまり出席しなければならないと考えるのが妥当です。

総会で選任された理事は、理事会に出席して合意形成を行う為の議論に参加し、そのプロセスを組合員に明確に示す義務があります。

 

以下、その理由を解説したいと思います!

 

 

マンションを訪れた際、エレベーター内やエントランス掲示板の「理事会開催通知」で見かけることがあります。

「次回理事会開催において、参加できない役員の方は委任状を提出して下さい」

との案内。

総会開催通知においては問題は有りませんが、

理事会開催通知において、なんかおかしくないですか?

 

理事会開催通知の2つの疑問

エレベーターに「次回理事会開催において、参加できない役員の方は委任状を提出して下さい」

と、理事会開催通知がごく当たり前のように張られていました。

しかし、マンション管理士の私は、

何ですか?この案内は⁉

と、この案内において2つの違和感が生じました。

1.理事会への委任状提出なんて有り得ない!

ダメに決まってるやろ!

マンション管理士としては当然の反応ですが、そうでない方にとってはごく普通の理事会開催通知かもしれませんが・・・。

2.開催案内は直接理事本人に伝えるべき!

個人的には、次回理事会の日時は直接本人に伝えるべきだと考えます。

通知をすることで組合員に対して理事会が積極的に行われていることをアピールできるから良いのでは⁉との意見もあると思いますが、定期的な開催は当たり前です。

掲示板には理事会で議論された「理事会議事録・要約版」なるものを掲示することをお勧めします。

まとまりの無い、たよりない理事会だという事を外部に示しているようなものです。

理事会への委任状出席は想定されてません

標準管理規約においては「委任状での出席は出来ない」と考えられます。

 

え、おかしいなー。総会では委任状を提出してるじゃないか⁉

マンション標準管理規約には、理事会における決まり事に「準用」という言葉が出てきます。

 

例えば、

・理事会の招集手続については、総会の招集手続の規定が準用(標準管理規約52条4項)

・理事会の議事録については、総会の議事録の規定が準用(標準管理規約53条4項)

 

これは、総会における規定を理事会においても同様の扱いで行ってください、というものです。

 

従いまして、総会で採用される多くの規定が理事会にも使われます。

しかし、「委任状」の出席については「準用」の規定がありません。規定が無いという事は準用されないと考えられます。

 

以下、マンション標準管理規約の第53条のコメントもご参考に

① 理事は、総会で選任され、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとされている。このため、理事会には本人が出席して、議論に参加し、議決権を行使することが求められる。
② したがって、理事の代理出席(議決権の代理行使を含む。以下同じ。)を、規約において認める旨の明文の規定がない場合に認めることは適当でない

委任状出席は「想定外」と考えられているからです。

 

多くのマンションが、国交省が示している「標準管理規約」をもとに管理規約が作成されてますので、一般的には、

・委任状の出席は認められない
・委任状は有効にならない

と考えられます。

但し、管理規約(≠標準管理規約)の理事会規定に「委任状出席を認める」等の規定がある場合は委任状が有効になります

つまり、区分所有法では明確な規定が無く、標準管理規約においても定められていない為、「理事会への委任状出席」に関しては、マンション独自の規約には定めることは出来ます。(ただし、この規定があるマンションは健全な管理運営が出来てない管理不全マンションの一つと私は考えます。)

 

委任状での出席が想定外の考え方

・理事会は、区分所有者等の合意形成を円滑に、そして適正に行うための「議論し提案を行う機関」です。

総会で選任された理事は、理事会に出席して「合意形成を行う為の議論に参加し、そのプロセスを明確に示す義務」があります。

 

従いまして、理事役員は、理事会に参加することを大前提とされている為、委任状出席は認められないと考えます。

私の個人的な意見として、イヤイヤ理事に就任しろくに出席をしない役員には理事職を辞退してもらった方がましだと思いますし、新任理事にはその旨伝えておく方が良いと思います。(ちなみに、理事は任期中でも自ら辞職できます)

理事会決議が無効になる場合も

理事会決議が無効になる場合があります。

NPO法人や社団法人、同窓会等の組織で認められているし、ましてやマンションの総会でも「委任状」の出席が区分所有法(第39条2項)で明確に認められているのだから、当然、理事会にも認められるだろう、と安易に考えないでください。

規約に理事会への「委任状出席が認められる」と明文化されてる場合は委任状は有効です。基本的には委任状出席は出来ないと考えられます。

さあ、あなたのマンションの管理規約で確認してみましょう!

 

理事会開催通知の掲示は「変」である理由

開催通知の掲示は「変」です。理事会議事録(結果)の掲示は良いと思いますが・・・。

総会開催については、区分所有法(第35条1項・招集の通知)や標準管理規約(第43条1項・招集手続き)に規定されています。

また、所定の掲示場所(エントランスの掲示板やエレベーター内等)に掲示して周知させることも特に問題ありません(標準管理規約第43条3項)。

理事会招集についても、上記の規定が準用されるために所定の掲示場所への掲示が可能です。

 

しかし、この条文の主旨は開催通知を発する際に、

・通知先を届け出ていない区分所有者への周知
・通知の煩わしさを省く

事なので、理事会については当てはまらない、と私は考えます。

 

理事会終了時に次回開催日を決め、情報を共有する。欠席者には理事会三役が責任を持って伝える。

これって、ごく自然なことではないでしょうか⁈

最後に

・理事会の招集手続について、総会の招集手続の規定(標準管理規約第52条4項)が準用されていない為、委任状出席は出来ない。つまり出席しなければならないと考えるのが妥当です。

・規約に明文化されていない場合は、理事会決議が無効になる事も考えられるので注意が必要です。

・理事会の役員に選ばれたからには理事会に参加する義務があります。輪番制で選任されてからと言って、参加できない或いはやる気がないなら固辞すべきです。

・標準管理規約は健全なマンションの管理運営を行う為に国交省が示していますので、「理事会への委任状出席」が管理規約において採用されてるマンションは、すなわち健全とは必ずしも言えない管理組合と言い換えることが出来ると考えます。

・健全な管理運営を目指すなら、管理組合としての強い意志や団結力を内外に示すためにも、委任状や代理出席を認めない規定を管理規約として明確に定めるべきだと考えます。

 

 

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