マンション購入の際に注意すべきポイントPART2【管理費】編

マンション

サラ管ブログのはじめに 

他人任せで本当に良いのですか?あなたの約8割もの財産を‼

仮にマンションの購入金額が3000万円だとします。

その内あなたが直接享受できる利益はせいぜい約2割の600万円分しかありません。

実際、あなたの部屋を見渡してください。

3000万円分の価値を実感できますか?

あなたの目で見えるものが約2割の価値という事です。(キッチン・ユニットバス・洗面・扉等の造作・フローリング・クロス等・・・ちなみに玄関ドアや窓・サッシュは含まれません)

土地や建物の共用部分等に残りの8割の財産が「マンション管理組合」により管理運営がされています。

これを機会に関心を持ってみませんか?

マンション管理組合に。

こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。

先ずは簡単な自己紹介です。

私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。

好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。

それでは本題に入っていきたいと思います。

 

マンション購入の際に注意すべきポイントPART2【管理費】編

投稿日2021.4.5

更新日2022.2.2

結論から、

・管理費が概ね1万円前後のマンションが全体の40%ですので、大きく外れる場合は注意が必要です。

・対象マンションの管理費収入と管理費支出のバランスが取れているか確認しましょう(新築マンションの場合は管理費等の額を意図的に低く設定しているケースがあるので注意が必要。将来的な管理費上昇を前提に購入を考える必要があります)。

・中古マンションを購入する際、前区分所有者の滞納管理費は承継されますので、購入時は滞納管理費の有無を確認する必要があります。

 

 

先日、マンション購入を検討している知人より、

「マンションの適正な管理費の額はいくらなん?」

と聞かれました。

私は、

条件により異なるけど、平均1万円前後との調査結果がありますよ

と答えました。

 

国土交通省が5年に1度「マンション総合調査」を行っています。

それによると、1戸当たりの管理費は月額1万円超~1万5千円以下が22.5%と最も多く、次いで7,500円超~1万円以下が17.2%と、管理費が概ね1万円前後のマンションが全体の40%に達しています。

私は、管理費や修繕積立金の額にそのマンションの個性が出ると思っています。この記事を読んで、皆さんが住もうとするマンション、或いは今実際住んでいるマンションの管理費等の額に、少しでも興味を持っていただければ幸いです。

 

では、マンション毎に具体的な管理費の額を出すにはどうしたらよいのか、具体的に解説します!

 

(以下の記事もご参考に!)

>>【知ってたら必ず得します!】マンション購入の際に注意すべきポイント【まとめ】

>>マンション購入の際に注意すべきポイントPART1「機械式駐車場」編

>>マンション購入の際に注意すべきポイントPART3「修繕積立金」編

>>マンション購入の際に注意すべきポイントPART4「給排水設備」編

>>マンション購入の際に注意すべきポイントPART5「理事会議事録」編

 

管理費の額は、マンションの規模や地域等で差が生じます

例えば、関東地域と中国・四国地域ではその差が何と3千円となっています。

これは、物価の違い、最低賃金の違い、都市部においては販売当初から管理費の額が高く設定されている、等が考えられます。

また、共用部分や敷地等の規模の違いで大きな差が生じます。

 

マンション総合調査によれば、

500戸以上の大規模マンションの場合は月額管理費が10,767円に対し

20戸以下月額管理費は13,260円と、その差が2,500円ほどになります。

 

例えば、1基のエレベータを全20戸のマンションで管理するのと、3基のエレベーターを全500戸で管理する一般的なマンションのケースを比較しますと、

エレベーター1基の月額維持費を5万円とすると、

50,000円(1基)÷20戸=2,500円/戸

150,000円(3基)÷500戸=300円/戸

2,200円/戸の差が出ます。

 

一方で、大規模マンションは敷地や共用部分が広く、敷地の植栽管理や清掃費、配管設備や消防設備等の維持点検、また最近ではコンシェルジュサービスやキッズルームなどサービスや設備も充実しているケースがあるので割高になる面はあります。

しかし、これらを差し引いても大規模マンションの方が管理費は相対的に低くなることが「マンション総合調査」を見てもわかります。

 

新築マンションのチラシ(小さく書かれた管理費の額)に騙されないように‼

特に新築マンションの場合は、管理費等の額を意図的に低く設定しているケースがあります。

これは、新聞広告でよく見かけると思いますが、月々のトータル返済額を低くし販売し易くしています。

 

例えば、販売価格3,500万円(頭金○○○円)で購入した場合、

提携ローンを組めば月々66,980円×35年に、管理費5,980円と修繕積立金6,980円を併せても

月額8万円弱。

今お支払いの家賃と同程度で購入できますよ!

と謳われているケースが見受けられます。

 

新築マンションの売買では、販売側が「売りやすく」、購入者には「買いやすく」するため「管理費」や「修繕積立金」の額をあらかじめ低く設定します。

そうです。管理費・修繕積立金は販売側の都合で決められてると考えてよいです

 

買主は契約の際に、その「管理費」や「修繕積立金」の額を納得(承諾)して購入します。

概ね、第一回目の大規模修繕工事の時期(築後12年程度)までは、管理費・修繕積立金の額は、当初の額(低く設定された額)で運営、そして大規模修繕工事にかかれるように設定されてます。

 

マンション販売価格がお手頃でも要注意‼

私の近所にある高額管理費のマンションを例に挙げてみます。

 

そのマンションはバブルの最中に建てられ、今では珍しくないですが、当時は「億ション」として鳴り物入りで売り出された豪華なマンションです。

 

現在でも管理は行き届いているようで、なかなか魅力的だと思っていました。

私は一時期マンションへの住み替えを検討した時期があり、そのマンションの価格を調べたところ、

 

めちゃお買い得やん!

 

と販売価格を見て思った次の瞬間、

 

管理費メチャクチャ高いやん!

 

販売価格はお手頃でも管理費等の額が半端ではありませんでした。

・築30年

・4LDKの136m2

・販売価格1,800万円

管理費月額21,140円

修繕積立金21,570円

半端ないです。

 

たとえ物件価格が安くても、月々の管理費等の負担は住み続ける限り必要です。ご注意を!

 

適正な管理費の額を把握する

管理費の収支内容とバランスを確認する必要があります。

 

私が参加しているマンションを一例にします。

築30年超の250世帯で、管理会社一括委託+外部専門家方式のマンションです。

1カ月に要した1戸当たりの管理費支出は「9,696円」となりました。

では、管理費支出9,696円の内訳をみてみましょう

1.管理委託費 5,735円
2.火災保険料 947円
3.共用部電気料 714円
4.エレベーター点検費 555円
5.マンション管理士顧問料 236円
6.雑排水菅清掃費 214円
7.修繕費(日常的) 168円
8.消防設備点検費 131円
9.その他(コピーや郵送費等の雑費・消耗品費・植栽費等) 996円

マンション管理士が顧問ということもあり、各項目ともほぼ無駄のない管理費支出です。

ただし、「火災保険料」は改善の余地があると考えられます。

日新火災海上保険の「マンションドクター火災保険」は、従来の築年数重視型の保険料算出ではなく、管理状況(メンテナンス等)を総合的に判断して保険料が算出されますので、築年数が古くてもお得な保険料となる可能性があります。

現在、他の保険会社でも似たような商品が販売されています。

 

因みに、このマンションの月額の管理費等の収入は、

管理費(9,200円)+その他収入(1,900円)=1戸当たり11,100円です。

収支は、

管理費収入11,100円-管理費支出9,696円

=1,404円のプラス

 

バランスが取れています!

 

ただ、その他収入(駐車場使用料除く)の1,900円を修繕積立金会計(別会計)に積み立てる必要も今後考慮すべき点ではあります(標準管理規約29条に「使用料収入はそれらの管理に充て、残った分は修繕積立金として積み立ててね」と示しています。)。

現状では修繕積立金会計も駐車場使用料を含め適正に積み立てられてますので、現状は問題ないと考えられます。

 

管理費等の額を知りたいのであれば、マンション購入検討者は、管理組合の理事長に対して収支報告書の閲覧を請求できます(区分所有法42条5項・同33条2項 標準管理規約64条1項 利害関係者の閲覧請求権)。仲介業者にお願いしてみましょう。

 

また、ここで注意したいことが1つあります。

毎月の駐車場の使用料が「管理費」会計に組み込まれていないか?

駐車場収入は、駐車場の管理に充てる費用を除き「修繕積立金」会計に積み立てるのが基本です。

駐車場収入は、将来的な駐車場の修繕費(大規模修繕含む)として積み立てる必要があります。

特に「機械式駐車場」を採用しているマンションは、維持修繕費が高額になる事から、注意が必要です。

駐車場の収入が「管理費の収入」に組み込まれている場合は要注意です!!

管理費額の変更は?

管理費の額は、規約変更により増減が可能です。

「管理費等の額に不満はあるけど、どうしても住みたい!」

のであれば、額の変更は可能です。つまり「管理規約」の変更を総会に諮る事で可能です。

しかし、規約の変更は特別決議事項となり、賛同者が多くなければかなりハードルは高いです。

(規約に管理費の額の記載がある場合は「特別決議」、額の記載が規約外に別に定められている場合は「普通決議」になります)

 

知っておきたい「管理費の特定承継」

中古マンション購入の際、マンションの売主である区分所有者が、管理費や修繕積立金を滞納したまま売り出してないか、必ず確認して下さい。

もし滞納管理費等があった場合、

無知な売主が例え、

「買主のあなたは滞納分を支払う必要はないですよ」

と言い、契約書でも謳われたとしても、区分所有法の「特定承継」という定めにより、購入者に債務が引き継がれて全額支払い義務が生じます。

バブル時に建設された、地方のリゾートマンションの販売価格を検索してみてください。販売価格や管理費等が安くても、滞納管理費等のトータルで見ると、結構な額になる物件が見受けられることがわかります。騙されないように!

 

 

まとめ

まず、管理費会計の収支表を確認して下さい。収支バランスが適切であれば、次に「駐車場使用料」が収入の部に組み込まれてないか確認して下さい。無ければひと安心、あれば要注意です。

修繕積立金会計と併せて収支バランスを確認し、バランスが悪ければ要注意です!

・大規模マンションより小規模マンションの管理費が高い傾向にあります。

・物価の違いや最低賃金等の影響で、大都市圏のマンションの方が管理費は高い傾向にあります。

・新築マンションの場合は管理費等の額を意図的に低く設定しているケースがあるので注意が必要です。

・マンション総合調査によると、1戸当たりの管理費は月額1万円超~1万5千円以下が22.5%と最も多く、次いで7,500円超~1万円以下が17.2%と、管理費が概ね1万円前後のマンションが全体の40%に達しています。

・総会決議により管理費の額の変更は可能です。但し、特別決議事項となる場合はハードルは高いです。(規約に金額記載は特別決議・別に定めた場合は普通決議)

・滞納管理費は承継されますので、購入時は滞納管理費の有無を確認する必要があります。

 

 

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