【アスベスト対策】マンション資産価値を維持する為の調査と今後の対策を解説! 

マンション

サラ管ブログのはじめに 

他人任せで本当に良いのですか?あなたの約8割もの財産を‼

仮にマンションの購入金額が3000万円だとします。

その内あなたが直接享受できる利益はせいぜい約2割の600万円分しかありません。

実際、あなたの部屋を見渡してください。

3000万円分の価値を実感できますか?

あなたの目で見えるものが約2割の価値という事です。(キッチン・ユニットバス・洗面・扉等の造作・フローリング・クロス等・・・ちなみに玄関ドアや窓・サッシュは含まれません)

土地や建物の共用部分等に残りの8割の財産が「マンション管理組合」により管理運営がされています。

これを機会に関心を持ってみませんか?

マンション管理組合に。

こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。

先ずは簡単な自己紹介です。

私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。

好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。

それでは本題に入っていきたいと思います。

 

【アスベスト対策】マンション資産価値を維持する為の調査と今後の対策を解説!

 

この記事は、アスベスト問題を専門的に取り上げるものではありません。

「管理組合の関係者」や「中古マンション購入予定者」の一助となるようにマンション管理士の視点で記しています。

 

そこで最初に申し上げたいのは、

 

アスベストが使用されてるマンションだからといって、住んではいけないマンションではありません。アスベスト飛散の危険性が無ければ問題は無いとされています。適正に管理・運営が行われているマンションであれば、アスベストに関しても対策が取られているので問題は無いと考えられます。

国土交通省より、建物所有者向けの安全対策が示されていますのでご参考に>>

>>建築物のアスベスト安全対策の手引き (mlit.go.jp)

 

 

先日の理事会の際、修繕委員長より「大規模修繕工事」の進捗状況の説明が行われた際、新任役員より

 

このマンションは築年数も古いので、大規模修繕工事の際にアスベストが飛散する事は無いですか?

と、質問がありました。

 

当然、そのようなことが起こらないように「設計コンサル」を選び、アスベスト対策も十分考慮したうえで計画を進めている旨の回答が修繕委員長より行われました。

 

そして続いて、顧問マンション管理士である私の「師匠」より、

 

アスベスト調査をした場合、調査結果を公表しなければならないケース(建物売買時の重要事項説明等)が出てきます。

管理組合の対応次第で、マンションの資産価値に影響が出てくることも十分に考えられます。アスベスト含有の疑いがあれば管理組合として真摯な対応が望まれます。

 

と助言を行いました。

 

 

建物の取り壊しや改修の際に「アスベスト」が使用されていた、という話を聞くことがありますよね。

 

マンションにおける飛散のリスク

 

アスベストが含まれた塗料で塗られた外装や内装は、通常の状態が保たれていれば飛散のリスクは無いと考えられています。

 

しかし、建物の修繕が必要になった際に、例えばクラック(ひび割れ)の補修や、配線配管工事に伴う外装等の工事や外壁等の剥がれを補修などする際は、飛散のリスクが高まります

また、適正な管理・運営が行われていないマンションの場合、例えばアスベスト含有建材が劣化した状態のまま放置されている場合は飛散のリスクが高まります。

 

 

 既存マンションのアスベスト含有の判断

 

それでは、マンションのアスベストの有無をどのように判断するのか?

 

石綿使用のピークはマンションの建設ラッシュとなる1970年代から1990年代ですが、現行の石綿の全面的な禁止は2006年です。

 

2006年9月以前に着工したマンションは、アスベスト含有建材が使用されている可能性があります。

 

では、どのような部分に使用されていたのでしょうか?

 

国交省の調査によると、

1.天井ボードの裏やグラスウール貼りの下の吹付け材など内装仕上げ材の下に吹付け材が存在するケース

2.アスベスト含有吹付け材の上からアスベストを含有しないロックウールを吹き付けたケース

などに使用されていたようです。

 

大規模修繕工事に際し、アスベスト建材の使用が疑われる場合には事前に含有調査をする必要があります。

 

国交省HPのQ&A

アスベストはどこにどのようなものが使用されていますか。

アスベスト含有建材は、住宅や倉庫では外壁、屋根、軒裏等に成形板として、ビルや公共施設では梁・柱の耐火被覆、機械室等の天井・壁の吸音用等に吹付け材として使用されています。

アスベスト含有建材は、以下に大きく分類されます。

  1. 鉄骨の耐火被覆材、機械室等の吸音・断熱材、屋根裏側や内壁などの結露防止材としての吹付け材
  2. 鉄骨の柱、梁等の耐火被覆成形板
  3. 天井等の吸音・断熱及び煙突の断熱としての断熱材
  4. 天井・壁・床の下地、化粧用内装材、天井板、外装材、屋根材等の成形板その他、建材以外でも自動車のブレーキ、高圧電線の絶縁材、各種シーリング材等に使用されています。アスベストが使われている家庭用品についての注意事項は環境省ホームページ(アスベスト含有家庭用品の廃棄について:下記のURL)に掲載されておりますので、ご覧ください。

 

アスベスト調査をして建築物にアスベスト含有建材が使用されていることがわかった場合、資産価値が下がるのではないかと心配です。

不動産取引において、アスベスト含有建材が存在する場合、アスベスト含有建材の除去費用分が資産価値から減額されます。建物所有者または管理者は、できるだけ早い段階でアスベスト調査をして、アスベスト含有建材の有無や建材の状態を把握しておくことをお勧めします。アスベスト調査がされてなく、アスベスト含有建材の存在が不明な場合は、建設年代等から判断し、アスベスト含有建材「有り」として厳しく減額するか、買い手側が環境デュー・ディリジェンスの一環として専門家によるアスベスト調査を行い、減額交渉をしてくることが一般的になっています。減額が大きいと不動産取引そのものが成立しなくなってしまいます。いずれにせよ、不動産取引の最中に想定していない新たな資産価値減額の問題が出てくると時間的に対応も難しくなり、交渉も後手後手になり、実際よりも不利になると考えられます。

建築物所有者または管理者は、早い段階で建築物のアスベスト含有建材の有無や状態を把握し優先順位を決め、中期的な改修・リノベーションの中で計画的にアスベスト含有建材の除去をしていくことをお勧めます。

アスベスト調査はどのマンションも行っているのか

 

アスベスト調査はどのマンションでも行っているのでしょうか?

 

いいえ、行っていません。

 

建物売買の際には、宅地建物取引士より「重要事項説明」が行われますが、平成18年4月より、アスベスト被害の増加に伴い、宅地建物取引業法35条1項12号の規定に基づく宅地建物取引業法施行規則16条の4の2についての改正が行われました。

これは、重要事項説明の追加事項として、アスベストが使用されているかどうかの調査結果が記録されているときは、その内容を説明しなければならない、というものです。

 

今まで「調査をする義務は無かった」という事です。

 

つまり、管理組合の判断として調査をしたマンションや調査を避けてきたマンションがあるという事です。

 

しかし、2020年3月、国により建物の解体によるアスベスト(石綿)の飛散防止対策を強化するための大気汚染防止法の改正案が閣議決定され、2021年4月に施行されました。

 

これまでは、ビルや集合住宅など大規模な建物の解体や改修工事の検査、報告は義務化されていましたが、これを「戸建て住宅」や「マンション」にも広げる方針との事です。

 

従いまして、

今後は現在の努力義務的な扱いではなく、大規模修繕などの大掛かりな工事の際は、「アスベスト調査」は避けて通れなくなると思われます。

 

 

アスベスト調査方法

 

現在の調査方法は、建物を管轄する行政や担当者により異なる場合があるようですが、基本的な調査方法としては、

 

・建物ごとに廊下や電気室などの共用部分の、「壁」と「天井」に1か所ずつ10cmほどの穴をあけ、仕上げ塗材(下地調整塗材を含む)の検査を行います。

・調査結果はおおよそ1カ月弱で得られるかと思います。

 

以上を踏まえ、調査結果によりアスベストが含まれていることが確認されれば、その対策に関しては行政に確認の上対応が必要になります。

アスベストに対して取るべき対策

 

管理組合にとって積極的な調査と具体的な対策を計画することが必要です。

 

2006年9月以前に着工したマンションは、アスベスト含有建材が使用されている可能性があります。

また、アスベスト含有建材の除去費用分が資産価値から減額される現状から考えると、大規模修繕工事等において調査の必要が生じた場合には速やかに管理組合として取るべき対策の検討を行うべきだと考えます。

建物所有者または管理者は、できるだけ早い段階でアスベスト調査をして、アスベスト含有建材の有無や建材の状態を把握しておくことをお勧めします。

 

 

まとめ

アスベストが使用されてるマンションだからといって、住めないマンションではありません。

・アスベストが含まれた塗料で塗られた外装や内装は、通常の状態が保たれていれば飛散のリスクは無いと考えられています。

・2006年9月以前に着工したマンションは、アスベスト含有建材が使用されている場合があります。

・管理組合として、できるだけ早い段階でアスベスト調査をし、アスベスト含有建材の有無や建材の状態を把握すべきです。

アスベスト含有建材の除去費用分が資産価値から減額される現状から考えると、大規模修繕工事等において調査の必要が生じた場合には、速やかに管理組合として取るべき対策の検討を行うべきだと考えます。

・そして、調査結果に対する管理組合の対応次第で建物の価値に影響が出ますので、長期修繕計画等において計画的にアスベスト含有建材の除去を行う事をお勧めます。

 

 

 

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