サラ管ブログのはじめに
他人任せで本当に良いのですか?あなたの約8割もの財産を‼
仮にマンションの購入金額が3000万円だとします。
その内あなたが直接享受できる利益はせいぜい約2割の600万円分しかありません。
実際、あなたの部屋を見渡してください。
3000万円分の価値を実感できますか?
あなたの目で見えるものが約2割の価値という事です。(キッチン・ユニットバス・洗面・扉等の造作・フローリング・クロス等・・・ちなみに玄関ドアや窓・サッシュは含まれません)
土地や建物の共用部分等に残りの8割の財産が「マンション管理組合」により管理運営がされています。
これを機会に関心を持ってみませんか?
マンション管理組合に。
こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。
先ずは簡単な自己紹介です。
私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。
好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。
それでは本題に入っていきたいと思います。
賃借人も管理規約を守る必要があり!もし守らない場合はどうすれば良いのか?
更新日:令和4年9月25日
結論から申しますと、
1.賃借人も管理規約を守らなければなりません
2.貸主の区分所有者は賃借人の迷惑行為を止めさせる義務があります
3.従わない場合は賃借人に対し「行為の停止」や「引き渡し」請求の訴訟も出来ます
先日、マンションの住人である知人よりこのような相談を受けました。
実は今マンションの理事をしてるのよ。ある居住者から隣人のある迷惑行為の相談を受けたんだけどどうすれば良いのかと思って・・・。
わかりました。それは規約違反による共同利益背反行為になるので以下に記す方法で改善を促してください。
【方法】
①管理組合が直接賃借人に対して文書等による規約の遵守を注意・警告
②管理組合が貸主(区分所有者)の区分所有者に対し賃貸人に規約を遵守させるように警告
③区分所有法第57条により、賃借人に行為の停止等の請求をします。
④区分所有法60条により、賃借人が住んでる部屋を管理組合に引き渡すための訴訟も考えられます(その後、管理組合が貸主の区分所有者に引き渡します)。この場合は「賃貸人」と「賃借人」を共同被告として訴えます。
①管理組合が直接賃借人に対して規約の遵守を注意・警告
賃借人でも当然に管理規約を守らなければなりません。
先ずは、迷惑行為を行っている「賃借人」に対して規約で禁止されている行為である事を理解してもらいましょう。(この時点では理事会のメンバーの対応でも問題ないので、直接その賃借人に文書通知、改善が無ければ直接話してみるのも良いでしょう。)
と言いますのも、※規約を守らなければならない事さえも理解していないケースがあるからです。これは賃貸借契約の際に説明が無かった(あまり考えられませんが)、説明があったけど聞いてなかった、或いは理解していなかった、などが考えられるからです。
標準管理規約19条において、賃借人にも管理規約や使用細則を守らせ誓約書も管理組合に提出させるように定めています。
・分譲マンションにおける賃借人の義務とは・・・?以下は賃借人も規約を守らなければならない根拠条文です
標準管理規約第19条(専有部分の貸与)区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、この規約及び使用細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならない。2.前項の場合において、区分所有者は、その貸与に係る契約にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の条項を定めるとともに、契約の相手方にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない。
【区分所有法第六条】
区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。3 第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。
②管理組合が貸主(区分所有者)の区分所有者に警告
管理組合として、賃借人に警告する事とは別に「賃貸人(区分所有者)」にも警告することが出来ます。
区分所有者のAさん、賃借人にマンションのルールをしっかり守るよう伝えて下さいよ!
(区分所有者で賃貸人のAさん)申し訳ありません。区分所有者の義務としてちゃんと説明したつもりだったのに・・・。誓約書を見せて規約を守るよう伝えます。
標準管理規約第19条に「区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、この規約及び使用細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならない」と定められてます。
また、賃貸人である区分所有者は賃借人に対して「誓約書」に基づいて管理規約を守る義務がある事を説明し、迷惑行為を止めるように勧告する義務があります。
万一、賃貸人である区分所有者(Aさん)が適切な対応を行わない場合(放置したりした場合)は、管理組合から「損害賠償」や「使用禁止(区分所有法第58条)」の請求を受ける場合もあるので注意が必要です!
③管理組合が賃借人(占有者)に対し迷惑行為を止めるよう請求
それでもその賃借人が聞く耳を持たない改善がなされない場合は、管理組合の問題として臨時総会を招集して普通決議にて訴訟を提起する事も考えられます。
もういい加減に迷惑行為をやめて下さい。至急元どおりにして下さい、さもなくば訴えますよ!
と請求することが出来ます。
根拠として区分所有法第57条(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
第57条 区分所有者が第6条第1項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
3 管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第1項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
4 前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。
裁判沙汰となると何かと面倒で後々しこりも残るので話し合いで解決したいものです。
④管理組合が賃借人(占有者)に対し引き渡しの請求
賃借人さん、よーく分かりました。賃貸借契約の解除と解除後にその部屋を管理組合に引き渡してもらうよう訴訟を提起します!!(区分所有法第60条)
ハッキリ言ってこれは最終手段です!
賃借人である迷惑行為の張本人に行ってもダメ、賃貸人である区分所有者にいってもダメ・・。賃貸人であるいわゆる大家さんの耳に入れば、大家さんが賃貸借契約を解除しそうなものですが・・・。
賃貸人も賃借人も他人事なのでしょうか?
③の方法でもってしても、その賃借人が聞く耳を持たない改善がなされない場合、すなわち「他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるとき」は、区分所有法第60条(占有者に対する引き渡し請求)により、臨時総会を招集して特別決議にて「賃貸人」と「賃借人」を共同被告として訴訟を提起する事も考えられます。
まとめ
・当然「賃借人」でも管理規約を守らなければなりません。
・迷惑行為を行っている「賃借人」に対して規約で禁止されている行為である事を理解してもらいましょう(聞いてない、理解してないという事もあります)。
・賃借人に警告する事とは別に「賃貸人(区分所有者)」にも警告することが出来ます。賃貸人には賃借人に規約を守らせる義務があります。
・それでも改善されない場合は賃借人に対し「行為の停止」や「引き渡し」請求の訴訟も考えられます。また、賃貸人に対しては損害賠償や使用禁止(区分所有法第58条)などの訴訟の提起も可能です。
・しかし訴訟は何かと手間暇が掛かります。できれば話し合いで解決したいものですよね。
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