サラ管ブログのはじめに
他人任せで本当に良いのですか?あなたの約8割もの財産を‼
仮にマンションの購入金額が3000万円だとします。
その内あなたが直接享受できる利益はせいぜい約2割の600万円分しかありません。
実際、あなたの部屋を見渡してください。
3000万円分の価値を実感できますか?
あなたの目で見えるものが約2割の価値という事です。(キッチン・ユニットバス・洗面・扉等の造作・フローリング・クロス等・・・ちなみに玄関ドアや窓・サッシュは含まれません)
土地や建物の共用部分等に残りの8割の財産が「マンション管理組合」により管理運営がされています。
これを機会に関心を持ってみませんか?
マンション管理組合に。
こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。
先ずは簡単な自己紹介です。
私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。
好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。
それでは本題に入っていきたいと思います。
混同していませんか?「長期修繕計画」と「大規模修繕工事」の関係とは⁈
やはり一般の組合員の方には混同しやすのでしょうか・・・。
大規模修繕工事とは、長期修繕計画で定められた計画的な複数の修繕工事の内の1つ
と考えれば分かり易いのかな、と思います。
先日、定期総会が開催されたマンションで組合員の方からこのような質問がありました。
組合員Aさんより
総会資料に添付された長期修繕計画書の内容と、現在進められている大規模修繕工事の工事内容や金額が大幅に増加してるんだけど大丈夫なの?どうなってるんのョ!!
とのこと。
つまり、現在進められている「大規模修繕工事の工事金額」と、マンションで計画されている「長期修繕計画で計画された大規模修繕時の工事金額」に明らかな差異が生じているので、具体的に説明して欲しいとの事でした。
長期修繕計画は、規約作成後又は規約見直し後の25年から30年先を見据えた、5年ごとに見直しが行われるあくまでも「計画」なので、その中の大規模修繕工事の時期や金額そして修繕積立金の額は、あくまでも計画にすぎません。
大規模修繕工事とは
マンション管理の知識(編著:(財)マンション管理センター)より、
「大規模修繕工事」とは、長期修繕計画を踏まえて計画的に実施する「計画修繕」のうち、建物の全体又は複数の部位について行う大規模な修繕を行う
と定義されています。
建材や設備の仕様や耐久性にもよりますが、一般的には12年から17年程度の間隔で実施すべきとされます。
しかしなぜそのような質問があったのでしょうか?
組合員のAさんは、大規模修繕工事の計画が具体的に進んでいることを知ってはいたものの、マンションの「長期修繕計画」というものを理解していなかったようです。
実際、このマンションでは「長期修繕計画」の見直しが平成28年に行われ、その書面が今回の定期総会の「総会資料」に添付されていたため、工事内容もいわば当時のままの概算内容であり、その概算に基づき「大規模修繕工事」が進行しているものと勘違いされていたようでした。
Aさんにはもっと理事会等の活動に関心を持ってもらえればなー・・・との思い。
と言いますのも、
理事会側としては、大規模修繕工事の計画をスタートして以降、理事会メンバー内で修繕委員会からの報告(具申)のつど検討された内容を審議し、理事会で承認決議(総会決議により、修繕工事全般は理事会に付託されている)をとりつけ、そのつど臨時総会を開催して組合員に丁寧な説明を行うという形で合意形成に努めていました。
例えば、「大規模修繕工事の進め方」や「コンサルタント業者の選定方法」などの説明会も随時開催し、適時適切に区分所有者への周知を図ってきました。
Aさんに限らず、マンションにお住いの組合員の皆様!!
皆さんが積み立てた大切なお金(1戸当たり100万円以上⁈)をつぎ込んで行う修繕工事です。もっと関心を持ちましょう!
長期修繕計画とは
では、長期修繕計画とはどのようなものなのでしょうか?
一般的には、マンションを構成する「建材・部材」や「設備」等の耐久性にあわせ修繕工事をいつどの程度の費用で行うのか、マンションごとに予定される長期的な修繕計画の事を指します。
この長期修繕計画は、新築の場合は30年以上、それ以外は25年以上の長期間を見据えた計画であり、概ね5年に一度の見直しが必要とされています。
ざっくりとその工事内容を抜粋してみましょう!
【2020年に予定される修繕工事】
・給水設備工事
・推定工事費○○○万円
・修繕積立金残高○○○○〇万円
【2021年に予定される修繕工事】
・排水工事
・推定工事費○○○万円
・調査・診断・設計・工事監理等費
・○○○万円
・修繕積立金残高○○○○○万円
【2022年年に予定される修繕工事】
・大規模修繕工事
①仮設工事
②屋根防水工事
③床防水工事
④外壁塗装等工事
⑤鉄部塗装工事
⑥建具・金物工事
⑦その他工事
・推定工事費○○○○○万円
・修繕積立金残高○○○○○万円
と、グラフ等を使用して25年から30年先の長期的な修繕計画を作成します。
通常は、5年おきに長期修繕計画の見直しを行い、大規模修繕や屋上防水工事、給排水管工事等建築・設備関連の修繕の時期や工事費、修繕積立金等の額を明確にし、見直しのつど組合員に説明会等を実施し、合意形成を図ることで計画修繕工事の円滑な実施を図ります。
また、ここで注意したいのは「長期修繕計画」を分譲時の販売会社が或いは管理会社が「サービス」として作成しているケースがあります。
必ずしも当てはまらるものではないですが、必要のない工事が工事項目として計画される場合や、工事計画が欠落している場合もあるので注意が必要です。(実際にあった話ですが、あるマンションでは「給排水管工事」が欠落していました)
管理・運営の主体は区分所有者の皆さんで構成される「管理組合」です。 管理会社に任せていたのにこんな事になるなんて・・・、とならないように積極的に組合活動には参加しましょう!
まとめ
・大規模修繕工事とは、長期修繕計画(25年から30年)で定められた計画的な複数の修繕工事のうちの1つ、と考えれば分かり易いと思います。また、計画的に実施する「計画修繕」のうち、建物の全体又は複数の部位について行う大規模な修繕を行う工事の事をいいます。
・長期修繕計画とは、マンションを構成する「建材・部材」や「設備」等の耐久性にあわせ修繕工事をいつどの程度の費用で行うのか、マンションごとに予定される長期的な修繕計画の事を指します。
・修繕周期はあくまでも目安です。大規模修繕工事は修繕積立金の額と工事の要否や優先順位を照らし合わせた上で、「工事の延期」や「借入」なども視野に入れ、区分所有者の十分な「合意形成」を踏まえた上での円滑な実施を図ることが重要です。
・長期修繕計画の性質上、その期間内では社会情勢等で建材や設備の単価が大幅に変化しますので、適時適切な見直しが必要です。
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