【管理費等の滞納問題】管理組合の実際の対応方法とは?具体策を解説します

マンション

サラ管ブログのはじめに 

他人任せで本当に良いのですか?あなたの約8割もの財産を‼

仮にマンションの購入金額が3000万円だとします。

その内あなたが直接享受できる利益はせいぜい約2割の600万円分しかありません。

実際、あなたの部屋を見渡してください。

3000万円分の価値を実感できますか?

あなたの目で見えるものが約2割の価値という事です。(キッチン・ユニットバス・洗面・扉等の造作・フローリング・クロス等・・・ちなみに玄関ドアや窓・サッシュは含まれません)

土地や建物の共用部分等に残りの8割の財産が「マンション管理組合」により管理運営がされています。

これを機会に関心を持ってみませんか?

マンション管理組合に。

こんにちは!サラリーマン・マンション管理士ブログの「サラ管」です。

先ずは簡単な自己紹介です。

私はサラリーマンの傍らで「マンション管理士」としてのスキルアップを日々心掛けてるアラフィフおやじの「サラ管」です。

好きな言葉は「継続は力なり」。サラ管ブログを通じて、皆様の人生において私の人生経験が少しでも役立てればと思い、記事を書き記したいと思います。

それでは本題に入っていきたいと思います。

【管理費等の滞納問題】管理組合の実際の対応方法とは?具体策を解説します

投稿日2021.3.27

更新日2022.2.1

コロナ禍等による経済の先行きが不透明となる中、今まで以上に「管理費等の滞納問題」が管理組合の懸念事項となる事が考えられます。

結論として、

事前策と事後策を定める事。滞納を安易に発生させない環境作りと、滞納金回収の手順を定め万一滞納が発生した場合には強い意志で回収を行えるよう準備しておく事が重要です。

以下、具体的に解説していきます!

 

まず、直近の滞納率は世間一般ではどうなっているのか見てみましょう。

国土交通省が5年ごとに調査を行っています。

平成30年度の「マンション総合調査」より

滞納が無いマンション(戸数)は全体の62.7%滞納が0%~10%24.4%となっており、全体に占める滞納が10%以下のマンションの割合は約87%です。また、築年数が古くなればなるほど、滞納率が上昇します。

「以外に滞納率は低いなぁ~」

と思われるかもしれません。

しかし、滞納問題を抱える管理組合は全体の75%以上(平成25年マンション総合調査より、3カ月以上の滞納住戸)という調査結果もあります。

ちなみに、適正な管理運営の最低限の目安になる滞納戸数の数値として、滞納率が10%以下である事が必要とされています。

管理費等の滞納問題はどこの管理組合でも起こりうる話であり、取り組み方次第でマンションの適正・健全な管理運営に影響を与える事も考えられます。

滞納問題に対して管理組合がどのように取り組むのか?適正・健全な管理運営を行う上では最重要課題の一つと考えて取り組む必要があります。

マンション管理組合として予め準備しておきたい事

「事前策」と「事後策」をしっかりと整備しておく事が重要です!

1.「事前策」

滞納を発生させない環境作りが出来ている事。(管理規約や細則に滞納の発生を予防できる内容が定められている。)

 

2.「事後策」

滞納発生後に管理組合がどのように対応(滞納発生後の管理組合の対応を予め講じている)するのか。具体的に定められている必要があります。

 

とある管理者曰く

滞納者が発生してもしばらくの間は様子を見ておこうか・・・

 

「これではいけません!」

当初から毅然とした態度を管理組合として示す必要があります。

 

管理組合は具体的に何をすべきか

1.有効な滞納防止の「事前策」として

例えば、

①管理費・修繕積立金を口座引き落としにする
多くのマンションが口座引き落としを採用していると思いますが、予防には効果的です。
②滞納金に対し遅延損害金の設定及び弁護士費用の負担を求める
遅延損害金の利率設定は管理組合で自由に決めることが出来ます。但し、民法上の公序良俗違反とならないようにする必要があります。
何も定めなければ遅延損害金の利率は民法の定めで年3%になります。
また、弁護士に依頼した場合の費用の請求も併せて出来ますので、規約や細則において定めることをお勧めします。
③3ヶ月以上の滞納でその翌月より駐車場使用契約の解除を行う

予め規約に定める事により、駐車場の使用制限等も可能です。

但し、滞納の最中に規約を変更することは可能ですが、有効なものとならないと考えらます(遡及効)。また、規約変更の際は区分所有者に与える「特別の影響」(区分所有法31条)を考慮する必要があります。

以上のように、予め具体的に滞納防止策を定める必要があります。

予め具体的に講じる措置を規約や細則として定め「滞納したらこれだけの不利益がありますよ!」と、区分所有者に周知させることが重要です。

 

④誰のために管理費等を支払うのか?丁寧に説明を行う必要があります

「誰の為?」

これは意外に知らない人が多いです。

あなた自身の財産(マンション)を守る為です!

「管理組合がやってるから大丈夫でしょ!」と、他人事のように言ってる区分所有者もいますが、管理組合はあなた方「区分所有者」自身で構成されています!

冒頭にもありますが、マンションの購入金額の約8割は共用部分となり、マンション区分所有者全員で運営する「管理組合=資産管理団体」によって運営されています。

従って、その方法を誤れば痛い目に遭います。

つまり、1人でも勝手なことする者を許すとそれが更に広がり、健全な運用が出来なくなる恐れがあります。

人間が病気の予防と適切な治療を行えば長生きできる(可能性が高まる)ように、マンションも適時適切な対応で寿命は確実に延びます。

2.滞納発生後の有効な「事後策」として

予め滞納金回収の手順を定め、粛々と、そして強い意志で回収を行えるよう準備しておくことが重要です。

例えば、以下のように督促の手順を定めておくことも考えられます。

1.文書や電話による督促(一般的に管理会社が行ってくれます。差出人を管理会社名ではなく理事長名での督促分がより効果的です。)・時期の目安~3カ月

2.内容証明による文書督促(管理組合が行います)・時期の目安4~6カ月

3.支払督促(以下、法的手段)・時期の目安6カ月~

4.調停

5.少額訴訟・通常訴訟

6.競売請求

以上、滞納対策には事前及び事後策が整備されている必要があります。

あなたのマンションの管理規約や使用細則においても確認しておきましょう。

 

3.滞納者の支払いが遅れる原因を組合側でも把握するように努め、対処することも重要です。

滞納者の置かれている状況によっては、理事会において対応策を考え、話し合いのもとで解決する事が望まれます。

例えば、管理費等の滞納の原因と支払の「意志」と「能力」を、○△✕とした場合、

.口座変更や残高不足による場合(意志〇・能力△)

2.相続・売買などの承継による場合(意志△・能力△)

3.経済的事情による場合(意志〇・能力×)

4.意図的による場合(意志×・能力△)

支払の意志はあるけど・・お金がない。ああどうしよう・・・。

管理組合が事情を把握した結果、月々の支払額を減らすことによって支払の目途が付く場合や、そうでない場合は「売却」という選択肢を滞納組合員に示すことも必要ではないかと考えられます。

滞納者の事情を管理組合が把握できれば、対応はし易くなるはずです。

事情が分からなかったが為に、意外に簡単だった解決策が見落とされたりすることもありますので、先ずは双方話し合いの機会を設けることが重要ではないかと思います。

 

 

まとめ

・「事前策」として、滞納を発生させない環境が積極的に作られている。つまり「管理規約」や「細則」に滞納の発生の予防内容が定められている必要があります。

・「事後策」として、予め滞納金回収の手順を定め、粛々と、そして強い意志で回収を行えるよう準備しておくことが重要です。また、滞納発生後の管理組合の対応が「管理規約」や「細則」に具体的に定められている必要があります。

・意外に容易だった解決策が見落とされたりすることもあります。管理組合と滞納者との話し合いの機会を設けることが重要です。

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